去年の秋に退職して以来、勉強生活を続けています。y-meguro です。
まとまった時間を使って、英語の勉強をやりたいなと思ったので、3月の半ばから英語を勉強していました。自分の備忘として、やったことをまとめておきます。
なぜ英語を勉強しようと思ったか
自分の英語力
とても雑に表現すると、以下のような現状でした。
- 洋書でも技術書なら頑張って読める
- Coursera とかで日本語字幕がなくても、英語字幕があればなんとか授業とれる
- カンファレンスで翻訳機が使えないと困る
- 英語で長文書くのは厳しい
- 英語の対面コミュニケーションはビジネスはおろか、友人であっても非常に厳しい
ざっくり、リーディング >>>>> リスニング > ライティング > スピーキング という感じです。
普段ソフトウェアエンジニアとして働いていたのですが、業務では日本語しか使っていなかったので、英語に触れるのもドキュメントを読む時か、技術書を読む時くらい。技術系のリーディングだけは力が付いてるかなと思っていましたが、他はすべて自信がない状況でした。
英語を勉強しようと思った理由
このままでも特に問題はなかったのですが、たまに英語を聞いたり、書いたり、喋ったりしなければいけない時に、「もう少しできたらなぁ…」とよく思っていました。ただ、働きながらだと勉強に当てられる時間は限られていて、仕事に直結する勉強の優先度を上げていたため、長らく(英語 "で" 勉強することはあっても)英語 "を" 勉強することはない状況でした。
英語をもう少し使えたら、自分の働き方の選択肢を広げられるかなという思いもあり(現在の情勢的に海外で働くことはやや難しくなってしまいましたが)、これまで放置してしまっていた英語と向き合ってみようと決心しました。
学習の基本戦略
いまの勉強生活全体のスケジュールを考えて、英語の勉強に使うのは3ヶ月〜3ヶ月半程度に限定しようと決めました。
1. 基礎から順番に学ぶ
「英語の基礎」が何なのか、人によって解釈は異なると思いますが、僕の場合は「発音・単語・文法」が基礎かなと思い、重視することにしました。特に「単語」はこれまでの人生であまり頑張れたことがなかったので、今回は苦手意識を取り払うべく、優先して取り組むことにしました。
また、「書けないものは話せない」かなと思い、本当はスピーキングもやりたかったのですが、まずはライティングを重視することにしました。
2. 日頃学習しにくいところを学ぶ
せっかくなので今しかできないことをやりたいなと思いました。具体的に言うと、リーディングの多読や精読は今後、勉強生活が終わってからも勉強しやすそうかなと思ったので優先順位を下げることにしました。
また、リーディングやリスニングのインプット系と比べ、ライティングやスピーキングのアウトプット系の学習はこれまで全然できておらず、どう手を付けていいかわからない状態になっていたので、今回は優先順位を上げてみることにしました。
実際にやったこと
上記の方針と、現状の英語力を踏まえて、今回は「発音・単語・英作文」に注力して取り組むことにしました。計717時間使ったようです。
やったこと
# | カテゴリ | タイトル | 時間 |
---|---|---|---|
1 | 発音 | 英語耳 | 25.7 |
2 | 単語 | TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ TOEIC L&R TEST 英単語スピードマスター TOEFLテスト英単語3800 TOEFL TEST対策 iBT英単語 TOEFLテスト英熟語700 | 442.8 |
3 | 英作文 | 和文英訳教本 ドラゴン・イングリッシュ | 195.2 |
4 | 英作文 | 大学入試英作文ハイパートレーニング 自由英作文編 | 4.7 |
5 | 英作文 | 考える技術・書く技術 | 12.8 |
6 | 英作文 | TOEFLテストライティング問題100 | 11.3 |
7 | 英作文 | TOEFL iBTテスト必修フレーズ100 | 24.5 |
以下、やったことの詳細を記載していきます。
発音(25.7時間)
単語をやり始める前に、発音についての理解が怪しかったので、「英語耳」で発音から勉強することにしました。 この本では、23個の子音と19個の母音(アメリカ英語で単体で使われない3つについては省略)それぞれについて発音練習できるようになっています。各発音記号がどのような音と対応するか、ちゃんと勉強したことがなかったので、とてもためになりました。単語を覚える時には、発音もあわせて覚えたほうが学習効率がいいと思うので、ここで正しい発音を学べてよかったです。
できそうなものについては飛ばしながら学習しましたが、毎日約1時間をかけてじっくり学びました。
単語(442.8時間)
発音を理解した後は、単語に取り組みました。どの参考書にどれだけ時間がかかったのか詳細を記録していないのですが、これまでに計442.8時間使ったようです。ここが1番大変でした。
取り組んだ参考書
以下の4冊に取り組みました。ちょっと範囲を広げすぎた気もしますが、普段あまり触れないような単語に触れたくて、TOEICとTOEFLの単語集をやりました。TOEICならビジネス系の単語、TOEFLなら幅広いアカデミックな単語を扱っていると思ったためです。
あわせて熟語も詳しくなかったので、以下の参考書もやりました。
暗記方法
Anki というアプリを使って覚えました。検索すると、使い方についての記事がたくさん出てくるかと思いますが、ざっくり言うと、単語カードを登録して、効率よく学習できるアプリです。
僕の場合は、上記の参考書の中からわからないものを Anki に登録し、あとは Anki のノルマに従って覚えていきました。基本的にカードはすべて自作したのですが、「英語のスペル」に対して「発音記号・品詞・意味」を紐付けるようにしました。覚えにくいものについては用例や画像を足して覚えるようにしました。
後述しますが、英作文についてもすべてこの Anki を使って覚えました。一度登録してしまえば、あとは Anki に従って学習をこなしていくだけで、効率よく学習できるので、やりやすかったです。
また、Anki には「統計」という機能があって、毎日の回答数や回答時間、カードの種類などを表示してくれます。記憶が定着してくると「復習(熟知)」に当てはまるカードが増えてくるので嬉しかったです。
参考書から登録したのが4100〜4200語、その他にも知らない単語があれば登録しているので、現在は4449語入っています。
やり始めた頃は、新規のカードの作成も大変だし、定着していない単語も多くて、1日中単語をやっている日も多かったのですが、最近では1日1時間程度で学習を終えています。新しくカードを追加すると、復習するカードも多くなってどんどん大変になるので、自分にとって無理のないペースで学習できるよう、気をつけるのがいいと思います。
英作文
続いて英作文に取り組みました。「文法」「構成」「表現」にわけて、それぞれどう取り組んだか記載します。
文法(195.2時間)
いざ英作文に取り組もうと思ったら、(読む時にはあまり意識していなかった)文法の細かい違いが全然わからないことに気づいたので、まず文法から始めることにしました。あわせて、模範となる英作文を覚えてしまえば、簡単に文を組み立てられるようになるかなと思い、「例解 和文英訳教本」と「ドラゴン・イングリッシュ」に取り組みました。
和文英訳教本では、各テーマについて、課題文とともに文法の注意事項を解説しているのですが、解説がとても丁寧でわかりやすかったです。自分の場合は、時制・冠詞について特に理解が深まりました。
ドラゴン・イングリッシュでも、100個の基本英文が紹介されており、和文英訳教本と同様、各文についての解説が載っています。こちらも良い本だと思うのですが、和文英訳教本と重なる内容も多かったので、結果的に見ると自分の場合はドラゴン・イングリッシュはなくても良かった気がしています。
和文英訳教本の読書メモは以下。
両方とも Anki に「和文」と「英作文」を紐付けたカードを作成して、覚えていくようにしました。全部で276枚のカードを作成しています。
こちらも単語の時と同様、最初はカードの作成だったり、解説を理解したりで大変だったのですが、最近では20分程度で終わるようになりました。
構成(28.8時間)
続いて英語でエッセイや長文を書く時に、どういう構成・論理展開にすればいいのか知識がなかったので、英語の構成について学ぼうと思いました。
まず「大学入試英作文ハイパートレーニング 自由英作文編」に取り組みました。自分は第1部しかやっていませんが、エッセイを書くための基本知識を学べます。
続いて「考える技術・書く技術」を読みました。これは英語に限らず、一般的な文書作成やプレゼンテーションに関する本なのですが、そもそも自分は「伝えること自体があまり得意じゃない」という認識があったので読んでみました。
読み手を選びそうな内容でしたが、論理展開や構成についてこれまで意識していなかった内容も多かったので勉強になりました。
最後に「TOEFLテスト ライティング問題100」に取り組みました(時間の都合で Chapter 2 までしかできませんでしたが)。TOEFLのライティングだと Integrated Writing と Independent Writing の2問が出題されるのですが、Independent Writing の書き方はとても参考になりました。ただ、30分で最低300語のエッセイの作成が求められるTOEFLのライティングはとても難しく、自分の表現力が低いことに気づくきっかけにもなりました。
表現(24.5時間)
文法を学んだ時に、ある程度の英作文を学んだので、それがあれば思ったことを表現できるかと思ってたのですが、自分の場合は全然表現力が足りなかったので、慌てて「TOEFL iBTテスト 必修フレーズ100」もやってみました。こちらも Anki で覚えています。
時間が足りなくて、まだ使いこなせるところまでいっていないのですが、主張を述べたり、理由づけをしたりする表現がたくさん載っています。わりと使いやすい表現が多いなと思ったのでおすすめです。
振り返り
学習前とどう変わったか
まず、これまでずっと抱えていた単語学習への苦手意識が消えました。上記の学習とは別に、TOEICやTOEFLの問題も解いてみたのですが、TOEICだとほとんど知らない単語はない気がします。TOEFLでも知らない単語はけっこう減ったと思うんですが、アカデミックな単語だと、ちょくちょく知らない単語もある印象です。洋書だとどうなるかわからないですが、「Rich Dad Poor Dad」を読んだ時は、今回覚えた単語がたくさんでてきたので、昔と比べると辞書を引く回数は3〜4割は減ったのではないかと思います。
依然として知らない単語は多いのですが、今回単語の覚え方を学べたので、今後は知らない単語を見つけるたびに、少しずつ語彙を増やしていけるのではないかと思っています。
英作文については、正直学習前に期待したほどの成長をすることはできませんでした。ただ、自分の書いた文章に対しての添削力は高まったと思います。また、100語以上使って何かを主張する場合の文章構成の基本を理解できました。しかし、基本的な表現力が低いので、適切な動詞を思いつかなかったり、動詞と名詞の組み合わせが不自然になったりしてしまうのは、昔のままです。ここの改善ができるように今後も頑張りたいなと思います。
難しかったこと
英作文を上達させるために何が必要かわかっていなかった
受験の時も含めて、これまで英作文について学習した時間が少なかったので、正しい学習方法がよくわかっていませんでした。もともと、英作文をある程度覚えれば、エッセイを書けるようになるのではと思っていたのですが、全然そんなことはありませんでした。
このままではまずいと思って、構成を勉強したり、フレーズを勉強したりしたのですが、時間が足りず、いまいちな結果になってしまいました。また、フレーズの勉強をする中で、覚えた表現を実際に自分で使ってみることの大切さを感じたので、今後はその辺も踏まえて、アウトプットも意識しながら学習を進めていければと思います。
英語を詰め込み型で学習するのは効率が悪かった
今さら何を言っているんだという感じですが、(私がこれまでやっていたコンピューターサイエンス系の勉強と比べて)英語は暗記するものが多いこともあり、短期間の詰め込み型の勉強より、長期間の継続的な勉強のほうが効果的だったなと感じました。英語学習の中でも、もっと違ったものにフォーカスすれば違ったのかもしれませんが、その点においても作戦ミスだったなと感じました。ただ、ある程度学習してみないと、何から勉強すればいいのかわからない場合もあり、その辺は難しかったなと思います。
日常生活の中に英語の勉強をどう取り入れていくかは今後の課題ですが、継続的に学習できるよう考えたいと思います。
終わりに
暗記系の学習が多く、あまり慣れていないスタイルの勉強が多かったので、なかなかしんどい3ヶ月半でした。また、結果も中途半端なところがあり、悔しい気持ちも強いです。
ただ真面目に取り組んだ分、振り返った時に、これまでの英語学習で気付けなかったことをいろいろ気付けたような気もします。高校生の頃の英語が苦手だった自分に教えてあげたいです笑。
そろそろ勉強生活も終わりが見えてきましたが、今回学べたことも糧にして、残りの勉強生活も励んでいこうと思います。
長い文となってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。
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