いつもは勉強したことをブログにまとめているのですが、今回はちょっと毛色の違う話を書いてみます。楽しい話ではないのですが、もし近い状況の方の参考になれば嬉しいです。
※ がんの症状や、対処すべき問題、必要なサポートはそれぞれのご家庭で異なってくると思います。以下はできるだけ一般的な情報、客観性の高い情報をまとめたつもりですが、不十分な点もあるかもしれません。確認したリソースのリンクを適宜貼りましたので、必要に応じてご確認いただければと思います。
やったことまとめ
- 国立がん研究センター のサイトや本を確認し、客観性の高い情報を集めた
- 「がんになったら手にとるガイド」を読んで、全体観を理解した
- 病院は がん診療連携拠点病院 から探した
- 限度額適用認定証を申請し、窓口での支払いを自己負担額までにとどめた
- 介護保険の申請方法を市区町村のWebサイトで確認し、申請を行った
自己紹介
無職になって勉強生活をしていた33歳です。父が3ヶ月ほど前に癌と診断され、通院での抗がん剤治療を行っています。母がすでに亡くなっていることもあり、私が家族の中心となって父を支えることとなりました。私の家から片道1時間強のところで父は一人暮らししているのですが、看病に行ったり、病院に付き添ったりしています。
がんという病気についてはもちろん知っていましたが、信頼性の高い情報の集め方、病院の決め方、介護体制の整え方について知らないことが多く、この3ヶ月間困ることも多かったので、最初に知っていればもっと動きやすかったなという情報をまとめておきます。
国立がん研究センターのサイトや本を確認し、客観性の高い情報を集めた
がんについて書かれている本やサイトはよくあるのですが、主観的なものや、医学的な根拠に乏しいものも多いです。がんの専門家にチェックされた情報がいいなと探していたところ、国立がん研究センター がたくさん情報を発信していることを知りました。「がん情報サービス」というサイトを運営していて、また書籍についても紹介されています。
がん情報サービス
Webサイトで情報をチェックしたい場合、まず がん情報サービス というサイトを見るといいと思います。こちらは国立がん研究センターのがん対策情報センターが作成しているサイトで、専門家の方の審議を経て、情報が提供されています(どのようにサイトが作られているかについて、詳しくは こちら)。
がんの解説についてはもちろん、治療や生活について、また臨床試験についての情報も掲載されています。また、家族ががんになったとき といったページも用意されています。
国立がん研究センターが紹介している本
また、国立がん研究センターでは、一般の方向けに本を紹介してくれています。「患者さん・一般の方向けの書籍など」というページから確認できます。
各がんについて解説している本や、心のケアについての本、レシピの本など、様々な本が紹介されています。
私もこの中から何冊か読んだのですが、特に「国立がん研究センターのこころと苦痛の本」はとても参考になりました。 診療や身体の悩みだけでなく、心の苦悩も多いこと、また専門的な心のケアが受けられることも知りました。
「がんになったら手にとるガイド」を読んで、全体観を理解した
これも国立がん研究センターが出している本ですが、「がんになったら手にとるガイド」を読むと、これから何を考えなければいけないか、ある程度、網羅的に書いてありとても役に立ちました。
がんとの向き合い方、経済的負担に対する支援制度、治療方法と副作用から療養生活についても書いてあります。一通り全部読むのもいいですし、最初に「患者必携ガイドマップ」というのがあるので、それをもとに気になるところをピックアップして読むのもいいと思います。
病院はがん診療連携拠点病院から探した
全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、全国にがん診療連携拠点病院というのが指定されています(厚生労働省の説明のページは こちら)。「がん情報サービス」の「がん診療連携拠点病院などを探す」というページから、がん診療連携拠点病院の一覧が見れるので、ここから病院を確認するといいと思います。
また「がん相談支援センター」が、全国の「がん診療連携拠点病院」や「小児がん拠点病院」「地域がん診療病院」に設置されており、がんに関する相談を無料で受け付けてくれるので、こちらもありがたく利用させてもらっています。
限度額適用認定証を申請し、窓口での支払いを自己負担額までにとどめた
がんと診断されてから必要なお金の一部は、公的医療保険などで負担が軽減できる場合があります。治療にかかる費用のうち、公的医療保険が適用される費用については、「高額療養費制度」を利用することができます。
この高額療養費制度では、1ヶ月間の医療費の自己負担額が一定の金額を超えた場合に、その超えた金額が払い戻されます。ただ払い戻しまでに時間がかかるので、事前に「限度額適用認定証」の手続きを行うことで、窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができます(非課税世帯の方は「限度額適用認定証」ではなく「限度額適用・標準負担額減額認定証」となるようです)。詳細はがん情報サービスの こちら のページをご確認ください。
この限度額適用認定証の手続きは加入している公的医療保険によって異なるので、Webサイトから確認しました。
また、民間保険にも加入していたので、あわせて申請を行いました。
利用できる制度はご家庭によって異なると思うので、がん情報サービスの お金と生活の支援 にあるリンクなどから、利用可能な制度を確認するといいと思います。
介護保険の申請方法を市区町村のWebサイトで確認し、申請を行った
父は一人暮らしなので、家事のサポートなども必要です。そこで介護保険の申請も行うことにました。介護保険の対象者になると、介護度に応じて様々な介護サービスを受けることができます。
※ 40歳から64歳までの方は、がん患者さんのすべてが対象となるわけではないのでご注意ください。
介護保険の申請方法は市区町村によって異なると思いますが、私の父の場合、まず「地域包括支援センター」に連絡し、訪問調査を行っていただくことから、手続きが始まりました。この手続きの中で、地域包括支援センターの方に福祉用具のレンタルを教えていただいたり、様々な介護サービスを教えていただいたりして、とても助かりました。
まだ要介護認定の判定は行われていませんが、認定された場合、ケアマネージャーさんにケアプランを作成してもらい、サービスを利用していく形になります。
終わりに
以上、この3ヶ月でやったことをまとめました。病院に付き添ったり、 お見舞いに行ったり、家事を手伝ったりといった日常のサポートを行った上で、病気のことを調べたり、様々な手続きを進めていくことはなかなか大変です。
また、ここで書いた以外にもご家庭によって様々な悩みがあるかと思います。私の場合は社会復帰をどうしようか迷ったり、お医者さんとのコミュニケーションに悩んだり、父の気持ちに寄り添えているか不安になったりしています。
みなさんお疲れさまです。大変なことも多いと思いますが、この記事が少しでも役に立てば幸いです。
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