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1年半の独学生活を振り返る

はじめに

早いもので、会社を退職して独学生活を送ろうと思ってから1年半が経過しました。かつて書いた退職エントリがまぶしいですね…笑。

当初の予定では半年~1年くらいにおさめたかったのですが、途中親の看病をすることになったり、人生に悩んだりするタイミングもあって、予定をだいぶオーバーしてこの生活を続けていました。

とうとうこの生活を終えることになったので、自分なりの区切りとして、振り返りを書いておきます。

やったこと

2ヶ月弱ほど記録を取ってない時期もあるのですが、記録を取れた16ヶ月分をまとめると、こんな感じでした。

いろいろバタバタして勉強できない月もあったのですが、平均しても月に200時間くらいはできたので、よく頑張れたのではないでしょうか。

やったことサマリ.png

やったことサマリ

やったこと詳細.png

やったこと詳細

ブログを書けたものは以下

学習リズムを作るために工夫したこと

怠惰な生活に陥ってしまうのでは…という不安があったので、自分なりに以下の対策を立てました。

友人に見守ってもらう

slackに勉強用のワークスペースを作って、友人に入ってもらい、日々の学習ログを付けていました。

ほぼ自分しか書かないのですが、見守ってもらっている意識があることで、怠けにくくなった気がします。また、たまにコメントをもらうことで励みになりました。皆様、ありがとうございました。

slack.png

slackで学習ログを記録

学習時間の目標を立てる

月単位で学習時間の目標を立てて、管理するようにしていました。目標時間があることで、毎日気を引き締めてやれるとともに、逆に「今週末は遊びに行けるな」といったことも考えられるので良かったです。

上記のslackをもとに、何を何時間やったかスプレッドシートに記録し、自分の状況をモニタリングしていました。ちゃんとできている時に自分を褒められるのも、調子が悪い時にいち早く気づけるのも良かったです。

ただ、「長時間勉強している = うまく勉強できている」ではないので、そこは注意が必要です。

学習時間.png

学習時間の目標を立ててチェック

お気に入りの場所を何ヶ所か作っておく

家でやっても気分が乗らない時は外で勉強するようにしていました。近所のカフェなど、何ヶ所か勉強できる場所があると、気分転換になっていいのではないかと思います。

ただ、緊急事態宣言が出たり、外出しにくい時も多かったので、家の環境を整えるのは大切だと思います。自分の場合は、椅子やモニタ、キーボード、ヘッドホンなどに投資しました。

印象に残った本

コンピューターシステムの理論と実装

これは1冊目にやったということもあり、とても印象に残りました。低レイヤからボトムアップで進めていくアプローチがわかりやすく、また各章の最後に課題が用意されているので、課題を実装する中で、理解を深めていくことができました。

CPUの創りかた

この本で紹介されている 4bitCPU をブレッドボードで作りました。初めての電子工作でもあり、とても楽しかったです。間違えてショートさせてしまったり、配線を何度も確認したのが懐かしいです笑。

計算理論の基礎

3巻まであるのですが、「計算機の本質的な能力とその限界は何か?」という問いに対して、オートマトンから議論をはじめてくれて面白かったです。計算理論というものに初めて触れたので印象に残っています。

暗号技術入門

実装や数式は出てこないのですが、基本的な暗号技術についてわかりやすく説明されています。暗号技術を学ぶ時の1冊目としておすすめです。

マセマの「キャンパス・ゼミ」シリーズ

本当に久しぶりに数学をやりました。マセマの「キャンパス・ゼミ」シリーズはとてもわかりやすく、ブランクのある自分でも思い出しながら勉強することができました。時間が足りなくて「微分積分」と「確率統計」しかできなかったんですが、 今後も少しずつ進めていきたいです。

Anki

本じゃなくてアプリなのですが、英単語を勉強する時にめちゃくちゃ使いました。細かくカスタマイズできるので、自分にあった設定を見つけて使うのが良いと思います。

THE COACH Academy

セルフコーチングが上手になりたくて、基礎コースを受けました。基礎の基礎しか理解していないのですが、自分の将来や理想を考える時に、前より少しだけうまく考えられるようになった気がします。

銃・病原菌・鉄

気分転換で読み始めたのですが、歴史に一切興味を持ってこなかった自分でもスラスラ読めて面白かったです。エンジニアリング周りの勉強に追われていて他分野の勉強は全然できていませんが、面白い本はたくさんあるなと感じました。

愛するということ

未来について悩んでいたタイミングで読んだのですが、いろいろな言葉がすごく刺さりました。実践するのは難しいことも多いのですが、いいタイミングで読めたなと思っています。

最新研究からわかる 学習効率の高め方

学習効率について書かれている本なのですが、自分の勉強方法に悩んでいるタイミングで読みました。最後の方で、「理解の後に思考が必要」「質の高い自問自答をしろ」と書かれていて、すごく刺さりました。

感じたこと

良くも悪くも自分次第

独学生活を送ることは銀の弾丸ではありません。当初は無限の時間を手に入れたかのような錯覚に陥りましたが、1日は24時間しかないですし、あっという間に時は過ぎていってしまいます。

また、かつてわからなかったことが突然理解できるようになるわけでもありません。1時間かけてわからなかったことを、10時間かけて調べてみたり、100時間かけて理解しようとしたりする選択肢はできますが、結局時間はかかるし、諦めたらそこで試合終了です。

逆に言うと、(今の自分の能力で)時間をかければ理解できるようなことは理解できたと思うし、昔の自分が積み重ねてきたものは、この生活でも役に立ったなと思います。自分の場合は、振り返りの習慣や、自己管理の技術に助けられました。

独学生活全体を振り返って、「時間をかけた割に、成果はいまひとつだったな…」という後悔はありますが、これが今の自分の実力かなと思えるくらいには一生懸命取り組めたので、結果を受け止めて、今後も精進していけたらと思います。

独学は孤学ではない

少し前に読んだ 独学大全 にも書かれていたのですが、1人でやることにこだわり過ぎず、広い選択肢から学習方法を決定すればいいのかなと思います。

学習効率が高まるのであれば、プロから教わるのもいいし、メンターを見つけるのもいいし、一緒に勉強する友達を見つけるのもいいんじゃないかなということです。そもそも先人の方々の知識に支えられて勉強してますしね。

もちろん全てを人に頼れば良いというわけではないと思うので、あくまでも自分のゴールに近づくために、最適な方法を選ぶのが良いと思います。

また、メンタル的な面でも、1人でいると突発的なアクシデントに弱いという問題があります。私の場合、独学生活中に親が亡くなり、しんどい時期がありましたが、友人たちに支えてもらい、なんとかダークサイドに堕ちずにすみました。支えていただいた皆様、とても感謝しています。ありがとうございました。

これからの生活に持っていきたいもの

独学生活を終え、これから新しい生活が始まるわけですが、以下の3つは継続できるように意識したいです。

1つ目は「わからないことから逃げないこと」。もちろん、この世の全てを理解することは不可能なのですが、自分にとって大事なことについては、多少難しくても考え続けたり、調べ続けたりすることで粘っていきたいです。全然わからないなと思った所からでも、どこまでわかっているか整理したり、どこがわからないかを明確にしたりすることで、突破口が見える場合もあるかなと思います。

2つ目は「より良いやり方を探し続けること」。やり方を変えるのが難しい場合もあるのですが、どちらかというと「あぁもっと工夫すればよかった」と後悔することが多いので、現状に満足せず、より良い方法を探し続けるよう気をつけます。上記の「独学は孤学ではない」にも当てはまるのですが、無意識の内に自分の思考の枠が制限されていると、より良い方法を思いつかない場合があるので、変な制約に縛られていないか敏感でありたいです。

最後に「問いを発展させていくこと」。言い換えると「うまく自問自答すること」なのですが、これは自分の理解度を正確に把握するという意味でも大事ですし、自分の思考を広げたり、深めたりするためにも大切なのではないかと思っています。自分の場合は、時間がなかったり焦ってしまうと、思考が止まりがちなので、そういう時こそ発想を変えてみたり、新しい疑問を探す時間を作れるよう意識できたらなと思います。

最後に

こうして振り返ってみると、独学生活を始めた頃がはるか昔のように感じられますが、あっという間の1年半でした。あまり友人にオススメできる生活ではないですが、自分としては楽しい時間を過ごせたかなと思っています。知識が多少増えたのも嬉しいですが、勉強自体が少し上手になったり、考え方が変わったりしたのが、良かったなと思います。

この生活は終わりますが、今後もたくさん勉強する機会はあると思うので、新しい知識に貪欲に、わからないことに悩む時間を大切に、思考の枠を広げてかつ深めていく過程をより一層楽しめたらと思っています。

改めてになりますが、サポートいただいた皆様、ありがとうございました!

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